音楽療法ってなあに

  音楽療法を簡潔に的確に説明されている学会のガイドラインがありますので、紹介します。音楽療法とは「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活の質の向上、問題となる行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」(日本音楽療法学会 ガイドライン01)。 

  音楽はそれ自体で、私たちの感情を揺らしたり、落ち着かせたり、身体の動きを誘ったりすることは、特に言うまでもないことですが、このような音楽の力を「意図的、計画的」に使って、さまざまな辛さを抱えた方の元々持っている力を引き出すことが、とても大切な要素になります。 そして、そのことをご本人に実感していただき、うれしさをご自身やサポートをしてくださる人たちと共感していただくことが出来れば…それが私たちのもっとも大きな仕事ではと思っています。うれしい時ってどんな時でしょう。自分で決められた時、自分でできた時、ちょっと前よりいいな・・と思った時、寂しさを忘れたとき・・・共感する、「うれしいね!」って言える、又感じることの難しい時期を共に過ごすことも、音楽療法の役割と感じています。 
  
 音楽療法の効果

  自律神経系、免疫系、ホルモン系への音楽の影響から、確実な音楽療法の有効性についてのエビデンスが構築されつつあります。医療領域では音楽による不安軽減や疼痛緩和効果が明らかになっています。  

  終末期医療では、音楽療法を受けた人と受けなかった人の比較で、受けた人の方が寿命が長かったという報告があります。認知症高齢者領域では、不安と不穏そして敵意の軽減があげられます。また音楽療法の実施後に、免疫に関わるNK細胞の増加が認められます。障害児・者領域では、心と体の発達支援に役立つことが分っています。                        (日本音楽療法学会ご案内冊子より)